不可解なモノ その2 電力量料金基本料金

基本料金

基本料金は、契約したら使用しなくても課金される料金であることは前回の投稿でも書きましたが、ではこの基本料金はどのように決まるのか、電気事業者側からみれば全く的外れな考察と言われることも覚悟のうえで、自分なりの考察をしてみたいと思う。

引用の大部分は今回も資源エネルギー庁のH.Pとなります。

一部情報が古いものもあったが、目的は電気料金の基本料金について深堀、理解することなので、また、数字についても精度を求めるものではなく、傾向を見るモノなので、整合の取れない部分は目を瞑って頂ければと思います。また、今回は大手10社を対象としました(2023年4月時点での電気事業者数は1,400社弱有り、これをまとめるとなるととんでもない作業量になる、というのが本音であります)。

1.各社基本料金

先ずは、各社の基本料金(月額)がどのようになっているか見てみます。

*戸建て一般家庭向けでは標準的と思われる従量電灯B、家電の種類、台数により30Aか40Aいずれかを選ぶことを想定しました。

どの電力会社も10A違うと月額286~432円の差が出る。この差はどこから来るのだろうか、数字が大きくなれば高くなるイメージはあっても、使用する電気に違いは無いと思っている身にしてみれば、同じではだめなのだろうか、という思いが拭いきれない。今回はその違いまで踏み込むのは難しいが(引き続き調べますが)、基本料金が何に頼るのか、少しでも理解が進むようまとめたいと思います。

2.発電所数能力と投資規模

事業を営む上で投資は必要で、電力会社の場合だと発電・送電の設備投資がメインになると思うが、その中でも発電所建設が格段に大きいのは想像に難くない。基本料金に占める割合は小さくないと思うので、発電所建設費用から基本料金について理解を深めてみたい。設備規模と最大出力は以下の通り。

新電力などによる新たな発電施設敷設で発電所数の規模感がイメージ合わないと感じるのは私だけではないと思いますが、あくまでも資源エネ庁の資料を引用していますのでご理解ください。

この資料を基に発電所建設費用を私算してみました。

火力発電については石炭、LNG、石油、LPGなどがありそれぞれコストは異なりますが、ここでは採用数の多い石油火力の建設単価を適用しています。

費用の少ない沖縄電力で4536億、一番多い中部電力で10兆4792億、発電所建設に投資している。

3.償却額と固定費、利用者負担について

次に建設コストから月の償却額を算出してみました。耐用年数=償却年数として、年数は資源エネ庁発電コスト検証資料から水力40年、他は15年から17年との事なので16年としました。

従量電灯B以外の契約数と内訳の検証が出来ていないので何とも言えませんが、基本料金で発電所減価償却額を賄えているようには見えない。ただ、各発電所の償却年数、償却額が精度の高い数字を使えば自ずと結果は違ってくるはずで、この段階では償却費用も電力使用量料金で賄われていると考えるのが自然ではないかと思う。

また、固定費として労務費も軽くはないので会社毎の従業員数と契約口数の関係をみました。

発電所建設費用の償却額に比べると、こちらの数字の方が基本料金に近い感じがするものの、日本国内企業平均年収より320万程高いというのには、利用者としてもっと抑えて利用料金に反映できないものかと思うのは私だけだろうか。

基本料金とは

基本料金に関しては、電力会社の固定費分負担が主な目的かなと、自分なりに結論付けしようと思う。また、料金の高い、安いといった論は新電力含め別の機会にするとして、電力会社の固定費を調べて基本料金について理解が深まった気がする。

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