電気代の動向について

電気料金

財務省の貿易統計2024年1月分確報が2024年2月28日に発表された。28日~29日に掛けて、電力各社から2024年4月分燃料費等調整費が発表された。

1.電力各社燃料費等調整費

燃料費等調整費一覧

補足:国の電気・ガス価格激変緩和対策事業を活用した料金となっている。2023年2月(2023年1月使用分)から2023年9月(2023年8月使用分)料金は7円/kWh、2023年10月(2023年9月使用分)から半分の3.5円/kWh。2024年6月(2024年5月使用分)には更に縮小され1.8円/kWhとなる。

1月以降の各社燃料費等調整費に大きな変動は無いが、3月から4月の変動率で見ると、前月に続いて中部電力が1/3になり一番大きい。理由としては、こちらも前月同様火力発電燃料価格の影響を受けている為である。

参考まで、燃料輸入価格(CIF)、市場価格、ドル円の推移を掲載しておきます。

家計への影響

燃料費等調整費が生活に及ぼす影響を見てみると、2024年2月に対して3月は関西電力と九州電力変わらず。北陸電力、中国電力、四国電力が2~5銭/kWh下げ、他は3銭~51銭/kWh上昇。3月に対し4月は、関西電力変わらず、東京電力7銭/kWh、中部電力21銭/kWh上昇、他1銭から31銭/kWh下げ。

例によって、月の使用量を300kWhとした場合の各電力会社の変動について、

北海道電力 3月料金は2月に対し9円↑、4月料金は3月に対し87円↓

東北電力  3月料金は2月に対し54円↑、4月料金は3月に対し33円↓

東京電力  3月料金は2月に対し84円↑、4月料金は3月に対し21円↑

中部電力  3月料金は2月に対し153円↑、4月料金は3月に対し63円↑

北陸電力  3月料金は2月に対し15円↓、4月料金は3月に対し75円↓

関西電力  3月、4月共に変わらず

中国電力  3月料金は2月に対し6円↓、4月料金は3月に対し93円↓

四国電力  3月料金は2月に対し6円↓、4月料金は3月に対し69円↓

九州電力  3月料金は2月に対し変わらず、4月料金は3月に対し3円↓

沖縄電力  3月料金は2月に対し24円↑、4月料金は3月に対し93円↓

電力会社毎に基本料金、単価が異なるので簡単に比較は出来ないが、毎月上昇傾向で目立たない変動ではあるが、ボディーブローのように家計に影響している。燃料調達価格は、直近では市場価格、ドル円の急激な変動が無く、動きは小さいものの、今後も高値傾向が続くとみられている。6月国の電気・ガス価格激変緩和対策事業の補助金額、3.5円/kWhから1.8円/kWhとほぼ半減となる為、家計における電気料金の負担が増える事に変わりは無い。7月以降、国の電気・ガス価格激変緩和対策事業がどのようになるのか、具体的内容が見えていないので、利用者としては気になるところ。また、2024年4月より新制度「発電側課金」なるものが始まる。現時点でまだ理解不足のところもあるが、理解した範囲内で次項で家計への影響をまとめてみました。

 

2.2024年4月から適用される制度「発電側課金」について

制度の概要

説明を読んでも何やら理解し難いので、可視化した資料を探したら「関西電力」の資料が見易いと感じたので引用させてもらいます。関西電力送配電:「託送供給等約款の認可について」(2024年1月17日掲載) | 託送供給等約款の変更認可申請について(2023年12月1日掲載) | 新たな託送料金制度の導入に伴う収入の見通し等の概要 | 関西電力送配電株式会社 (kansai-td.co.jp)

この図はこれまで小売事業者が全て負担している送配電設備維持・拡充に必要な費用について、需要家と共に系統利用者である発電事業者に一部の負担を求め、より公平な費用負担とするものであるとのこと。

ここら辺の経緯については経産省のH.Pにありますので、次のサイトを参考にしてください。一般送配電事業者10社から託送供給等約款の変更認可申請を受理しました (METI/経済産業省)

この記事では電力10社からの申請を受けて、とあるので、民間企業ではあるが純然たる民間企業では無い事がはっきりしている(分かっている事ではあるが)。生活インフラに欠かす事の無い電気の事なので、国が守らなくてはならないのは理解するが、であれば、電力事業全体のコスト改善にも注力して欲しいもの。赤字であっても、国内民間企業の中ではトップクラスの平均給与、退職金を維持しているのは納得し難い。

これらを見ても、我々の電気料金がどのような影響が有るか分かり難いので、下の図が分かり易いと思います。こちらも関西電力H.Pからの引用になります。

図の通り基本料金が上がり、使用した分の電力量料金が下がる。なのですが、電力会社に因ってはそうでもなさそうです。

家計への影響

各電力会社の見直し状況をまとめると以下の通り。

基本料金は、東北電力、北陸電力、四国電力以外7社上昇、使用電力量に応じて支払う電力量料金は、北海道電力、北陸電力、九州電力、沖縄電力の4社が上昇、基本料金+電力量料金+燃料費等調整費+再エネ促進賦課金を合計した電気料金は、東北電力、東京電力、四国電力以外7社上昇となる。値上げのイメージではあるが、値上げ幅は基本料金で数円から数十円、電力量料金は数銭程度であり、家計に大きな影響が出る事は無いと思うが、2024年6月以降の燃料費等調整費がどのようになるか、2024年度の再エネ買取価格(FIT、FIP)の動向が気になるところ。

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