上達に必要な事
稀に他人との接触を避け、一人でプレーを楽しんでいる方も居ると思います。ただ、ゴルフをやっている方の9割以上は誰かと一緒にプレーしているはずで、そのほとんどはスコアを記入しているものと思われます。思われますとしたのは、本人が書いていなくても同伴者が書いている。東南アジアのほとんどの地域ではキャディーが書いている事が多い、プレーヤーが頼んでいなくても。ゴルフを定期的に(年間一定回数)やられる方にとっては、記録を取っていないにしても、普段大体この位のスコアで回る位の目安は持っているもので、それより良い悪いと自分なりに評価するもの(オフィシャルハンディキャップを持っていれば、それが目安になるが)である。同伴者と握っていれば勝った・負けた、オリンピックをやっていれば何点取れた、いくつ貰えた・払った、そしてその日のゴルフは終了。これで上達する方も居ると思うが少数派だと考える。
ゴルフを趣味として(或いは趣味の範囲を超え競技志向であっても)、現状のスコアに満足せず、より少ないスコアでプレーをしたい、趣味を同じくする仲間、友人達より良いスコアでプレーしたい、オリンピックでいつも払うのは嫌だ、誰とプレーしても良いスコアを出したい、等々ゴルフに対する向上心は誰しも少なからず持っている。しかしその大半は違う事に時間とムダな練習(と、ここでは言っておく)に費やす。少ない時間と練習でスコアを改善する方法を、自分の経験からまとめてみたいと思う。但し、ゴルフボールをある程度前方視界内に打てる確率が60%程度のレベルが対象になります。10球打って1球当たるかどうか、半分の5球はどこ行くかボールに聞いてくれ、そのレベルには違った方法が有るので、それはまた別の機会に。10球中6球以上は前に飛んで視界から消えない(飛び過ぎて消えると言う意味では無いので念のため)、番手毎の距離はここでは関係無い。
体力はなくともスコアは良くなる
前置きが長くなりましたが、スコア改善に必要な方法は、一つ目はスコアカードの使い方。体力を使わず、練習場に通う時間と費用も不要。但し、書いた内容を記録し分析する手間は必要です。最小限の投資でスコア改善されるのであれば、投資効果というか費用対効果は最強だと思います。二つ目は少々大変かもしれませんが、ショートゲームの改善。100ヤード以内、それも50ヤード以内でのスコア改善。当然パット数の改善も含みます。仕事を持っていて週末ゴルファーにとっては、平日からコースの練習グリーンで打てる方は少ないと思います。因って、短期間に改善されると思わず、改善効果が見られるのは1年後とか2年後と思って取り組んだ方が賢明だと思います。仕事も生活も犠牲にして毎日ボールを打ってプロになった方々でも数年は掛かっているのだから、週末ゴルファーには週末ゴルファー也のやり方で、今のスコアから何打でも改善出来れば御の字では無いでしょうか。
一つ目、スコアカードの使い方
*タイ王国 ブラックマウンテンスコアカード
先ずは、スコア改善したいと考えているゴルファーで、スコアカードを自分で書かない、書いたスコアを家に付いたらもう手元にない(クラブハウスのゴミ箱)、家に付いたと同時にゴミ箱行き、要は何もせずプレーが終わったら捨てている内は、スコア改善は望まない方が良い。と言うか、その時点で本心から望んでいない。
改善を望むならスコアカードは使えるだけ使わなければ勿体無い。以下、記入例。
① ティの位置 白、青、黒、どのティからスタートしたか印を付ける
② プレーヤーの名前とスコアを記入するが、競技会、コンペとか提出する必要が有れば、名前と各ホールのスコアを記録。しかし、プライベートでプレーするのであれば、自分の記録用として使用した方が良い。
③ パー通りにホールアウト出来た時にこの数字を〇で囲う。
④ コンペ等どうしても同伴者のスコアを記録しなければならない時は、そのホールのスコアとパット数を一コマに/を入れて記入する。
⑤ 自分だけでスコアカード使えるなら、1行ずつスコアとパット数を記録する。
注意:スコアの書き方でやらない方が良いのは、パーに対して+1、+2とか-1といった差分を書く事。理由としては、ホール毎に一打一打どのような状況だったか振り返りをする場合、差分しか記録が無いと正確に思い出せない事が多い。振り返りの時は打数だけでなく、その時の状況(ライ、自然状況等)、気持ちの状態も思い出した方が、自分の改善点がより明確になる。記憶とは+1、2と数えて覚えるより、ティショットから1,2,3,4,5と順番に数えた方が覚えやすいし思い出せる。経験上から言える事である。
⑥ ①で印を付けたティの位置、各ホールティショットでフェアウェイに打てた時に〇印を記録する。
⑦ ティショットでトラブルが有ったら印を記録。ウォーターハザードに打ち込んだ(いわゆる池ポチャ)場合=>W、OBを打ってしまった場合=>OB、バンカーに入れたらS、とか。
⑧~a)はコースに因っては記入する欄が設けられていないが(ブラックマウンテンはプレーヤー本位に考えてカードを作っている)、⑧はパット数を記録、⑨のGreen Regulations はパーオン時に〇か✔を記入、a)はティショットがフェアウェイを外した場合、外した方向にチェックを入れる。ブラックマウンテン以外では、ここまで記録出来るカードは見たことが無いので、前述した通り、⑧~ a)の項目は、①のスコア記入欄に記録する。また、①に記録するのはティショットからグリーンに乗るまで、使用したクラブの番手を記録するのも良い。
記録の目的と考え方
記録する目的は、自分を丸裸にする為である。丸裸といってもゴルフについてである。うまく打てた番手、何度使っても思い通りにいかない番手、先ず自分自身を知る、理解する事がスコア改善の一歩目である。誰かに見せる訳ではないので、記録は自分で記号、数字などでルールを決め、長続き出来るよう工夫した方が良い。
スコアカードに記録しただけで改善される訳ではない。記録をどのように活かすかでスコア改善になります。集計は、プロのゴルフトーナメントで見られるスタッツとして同様に行います。フェアウェイキープ(F.K)率、パーオン(P.O)率、パーセーブ(P.S)率、パット(PT)数等。この作業はスコア改善が目的なので、それぞれのスタッツとスコアの関係をみていく。目標に対してオーバーした時のスタッツでどの数字が良くないかを見る。F.K率は良いのにスコアが目標をオーバーした。P.O率、P.T数が悪い。その逆も有り。目標に対して良いスコアだったが、F.K率、P.O率は最悪だった。しかし、P.T数が過去一番良かった為に目標をクリアした。なんてことは普通に起きる。バンカーに2つ以上入ったラウンドはスコアが悪くなるとか、傾向が見えてくる。数字だけ見ていても分かり難いので、エクセルを使って可視化、数字をいわゆるグラフにする。
グラフにしたら、これでスコアカードを廃棄するのではなく、同じコースに行く際に持って行き、ホール毎の差を見る。差を見ると同時に、前回のプレーで何が問題だったかを思い出す。同じ問題を起こさないために何をすべきかを考える。問題を思い出すと悪い結果しかイメージ出来ないと思うかもしれないが、同じ問題は繰り返さないと脳にインプットし、良いイメージを描けば意外と乗り越えられるものである。前回うまくプレー出来たホールでは、何が良くて結果が良かったかを考え、決して漫然とプレーする事の無いようにする。スコアメイク出来ない要因は、一回ミスショットが出ると直ぐミスの挽回をしたくなる。先を急ぐ気持ちと結果を見たい気持ちが脳を支配し、所作というか行動が雑になってしまい、気付けばミスの上塗りで目標とは程遠い結果に。自分のプレーリズムが分かっていれば、一回のミスで崩れる事は少ない。ミスが出ても処世方法が分かっている。自分のルーティンを丁寧にやり直す事でミスを引き摺ることが無い。
こうして過去のラウンドを思い出しながら、同じミスを繰り返さない、一回のミスで崩れないようにプレーする、逆に調子の良い日でも、奢る事無く淡々と自分のルーティンをこなす事で、数段レベルの高いゴルフが出来る様になる。
二つ目のショートゲームの改善は次回。