ゴルフ上達の基本
前回までスコアカードを活用したスコア改善について書きました。今回はショートゲームが変わればスコアが改善される、について書いていきます。
毎回スコアカードに打数とパット数を記録されている方なら既に気付いていると思いますが、スコアの40%程度はパット数である事。例えば平均100程度で回るプレーヤーであれば40前後、90くらいの方だと36前後、80台前半から70台でプレーする方だと30前後と思います。
ショットの精度を上げたところで、肝心のパットが入らず、3パット、4パットをしていたのでは、スコアは良くならないし、ゴルフ自体面白くない。普段40パットかそれ以上叩くプレーヤーがいきなり30パットになる方法は無いが、確実に40→36→32と減らせる方法はある。これまで実践した方法を紹介していきます。
距離感は誰でも改善出来る
18ホール全てパーオンした場合、ショット数は36。全ホール2パットであればパープレーの72。では、18ホール全てボギーオンした場合は、ショット数54、パット数36でスコアは90。更にダブルボギーオンした場合、ショット数72、パット数が36なら108、いわゆる除夜の鐘(煩悩の数ともいう)。100を常に切っていないレベルにパット数の改善を求めるには、少し無理が有るので別の機会にするが、今回は時々90台も有る、或いは時々80台も有るが安定しないレベルのプレーヤーは、往々にしてグリーン周りからグリーン上の結果次第という事が多い。これまで見て来た多くの方々を一言で言い表すなら「距離感が合っていない」である。
グリーン周りのアプローチ、花道からであれば10球中6球程度は確実に1ピン以内に寄せたいもの。うまく行かないプレーヤーを見ていると、距離、ライに関係無くアプローチというと必ず56度前後のウェッジを持つ。ボールを上げて止めなくてはならない状況ならいざ知らず、ややもするとパターでも良いくらいの距離、ライであってもウェッジを持つ。結果が良ければ何も言うことは無いが、大概ここでやらかす。ザックリで5㎝程しか動かないか、トップしてグリーンの反対側へ行くか、最悪バンカーに突き刺さる、なんてことは距離感とは違う次元であるので、一応ボールをクラブのフェース面で捉えた場合を想定する。うまく打てたとしてもカップの上に付け、難しい下りのファーストパットが行き過ぎて、返しの2パット目届かず、3パット目も入らずで4パット。パットが良くなかったと反省の弁を語るプレーヤーも居るが、そうではない。漠然とアプローチした結果である。その原因は、アプローチ、パットの距離感を磨く努力が足りない(或いは全くしていない)。
アプローチの距離感を上げる練習
ドライビングレンジ(打ちっ放し練習場)編
練習場に着いてストレッチ等でウォームアップが済んだら、ボールを手でトスする
両足を揃えて利き手で3球、逆の手で3球
右足を半歩出して利き手と逆で3球ずつ
左足を半歩出して同じように3球ずつ
3球は5ヤード、10ヤード、15ヤードと距離を変える
トスする際ボールは、人差し指、中指、薬指の3本に乗せて行う。また、体全体を使うとか意識せず自分でトスする距離に合わせた感覚で行えば良い。足を閉じたり、開いたり、また左右の手でトスする目的はバランス感覚を養う為です。1球1球丁寧に、可能な限り丁寧に行います。
次はボールを打ちますが、使用クラブは9番で行います。5ヤードから始め、5ヤード刻みで50ヤードまでを3球ずつ打っていきます。打つ際に手打ちではなく肘を体から離さないイメージで、要は体をしっかり回して打つ事が重要。それと、右打ちの方は、右手の指でクラブとボールがコンタクトした感触を感じ取る事。クラブは左腕主導で振れと言われますが、アプローチの場合は右手、特に指で距離感を出す(感じる)イメージが重要だと思います。9番で打つので、フワッと上がるボールは出ませんが、5ヤード毎に打てるようになれば、上げる角度によりクラブを変えれば済むので、難しいウェッジで長い時間練習するより、低くてもしっかり距離を打てるようにすれば、1ピンに寄せる事も、避けたい方向に打てるようにもなります。
ウェッジは優しいクラブ、お助けクラブだと言う方も居ますが、私にしてみれば、厄介な難しいクラブです。ボールを上げ落ちてから転がる距離を合わせるにはスピンコントロールが必要で、フェースのどの位置でコンタクトしたかで結果が全く異なります。それよりだったら、10ヤードのキャリーで20ヤードの転がりのする9番の方が、ずっと優しく寄せる事が出来ます。寄せて1パットで済ませるなら、まして花道からピン方向に打てるのであれば9番、場合に因っては8番、7番も使っていました。仮にピンオーバーした場合でも、転がした結果ですので、返しのイメージは出ているし、「一度通った道なら入る」の思いを持っているので、焦りも無ければ、むしろ安心感というか自信めいたものを持ってファーストパットに臨めたものです。
練習グリーン上で。
アプローチ可能な練習グリーンが有れば、次の方法が距離感を上げるのに有効だと思います。
グリーンの端から外5歩くらいのボールを打てる場所にティペグを1本挿します。そこから5歩進んだグリーン上に1本、10歩先、15歩先、20歩先と計5本のティペグを挿します(目印として)。1本目のティペグからボールを各ティペグに止まるように1球ずつトスします。4球トスし終えたら、ボールを拾いながら20歩先のティペグより同じ様に4球トスして戻ってきます。3~4回繰り返したら、1本目のティペグから9番で各ティペグに向かって打ちます。トス、ボールを打つどちらも練習場同様、手、指の感覚を大事に行います。それと気を付けて欲しいのは、距離に長くなると腕の振り、クラブの動きは大きくなりますが、同じ時間を掛けて行うようにして下さい。5ヤードの距離でも20ヤードでもイ~チィ、ニィ~と約2秒で済ませるイメージです。それも可能な限り緩い動作が良い。合う人合わない人が居ると思いますが、スィング中にどこかで力が入ると、緩めようとする動きが出て来て、安定した打点が担保出来ず、また、インパクト時の衝撃も変わり、ボールの回転及び方向、高さが安定しないのでアプローチそのものがばらつく。最悪ザックリ、トップを招きます。
チップショットを打てない練習グリーンのコースが多いと聞きます。次回9番でのチップショットが打てない場合の、練習グリーン活用方法について書きます。